鹿児島のPADIダイビングショップ|ラ・ボンバ

「坊津ケンムン」ガジュマル


「坊津ケンムン」はラボンバのパークにあるでかいペアのガジュマルたち。2本の巨大なガジュマルが大きく枝を広げて、海に向かって立ってるんだ。

見ればわかるけど、でかいガジュマルだ。樹齢ってどのくらいかな??

 

 

「ケンムン」っていうのは、鹿児島の奄美あたりに棲んでる「妖精」で、よくでかいガジュマルの根元で休んでるらしい。姿はカッパに似てるらしい。昔は、人の作業を手伝ってくれたりして、お付き合いも良かったらしいけど、近年は、いろいろ悪さもするんだって。

このでかいペアガジュマルを「坊津ケンムン」って呼ぶことに決めたのは、理由はあって、

一昨年の夏の夜、このガジュマルの右側に大きく張り出している枝にロープをかけて、ハンモックを吊って寝ていたんだ。真夏で台風が遠くにある夜は、風が吹かなくて、部屋の中は暑いから。ふらふら揺れながら、上を見上げると大きく張り出した枝で、星も見えないくらい、その日は闇夜で月もなかった。気持ちよかったので、ぐっすり寝込んでしまって・・

ふと、気がつくと、自分が寝てるハンモックの下を小さな子供達がワーワー、キャッキャッしながら、遊び回ってる。鬼ごっこかなー??走り回る遊びだ。この時、正直、これはやばいと思った。巨大木に精霊が宿ることは、昔からよくある話だし、ましてや、ガジュマル。「ケンムン」や沖縄につたわえる「キジムナー」がいておかしくはないやろーって、思いついた。

はっと起き上がると、何もない真っ暗な夜だけ。子供たちの姿もかき消えてしまった。このまま寝てると、間違いなく、どこか黄泉の国へでも連れていかれるなと思ったので、早速、ハンモックを畳んで、部屋に引っ込んで寝た。ハンモックをわざわざ畳んだのは、後で、聖霊や子供たちに「邪魔になるからどけろ」と言われるのが嫌だったから。

その後しばらくして、今まで、割れたことのなかったサッシが割れた。この後、ガジュマルを傷つけないようにして・・実はヤグラを組んで、ツリーハウスを作ろかなーなんて考えてたけど、この日以降は、そんな考えはキッパリ捨てた。で、今は余計なことはしないで、なかよくやってるんだ。あの時も、特に自分に危害があったわけでもなく、友好的なガジュマルたちなんだ。

こんなことがあって、間違いなく「ここ」には精霊がいて、聖霊の正体は「ケンムン」に違いないと勝手に決めて、このガジュマルたちを「坊津ケンムン」って名前にしたっけわけ。

さらに驚くことに、このガジュマルたちは、今まさに、つながろうとしているんだ。上の方で枝と枝がくっついて同化しようとしているんだ。

 

ガジュマルは「締めゴロシの木」とも言われていて、成長の途中で、「お隣の木」などは、周りを囲んで自分の中に取り込んでしまう。囲まれて成長できなくなった「お隣の木」は枯れ朽ちてしまい、そのあった空洞だけが残って、あとは、枝と枝が重なって繋がってしまう。

今、この2本の隣り合ったガジュマルは、長い年月を経て、ついに、つながっている。そして、長く張り伸ばした枝で、大きな木陰を作って、「ケンムン」や「旅の人」のお休みどころになっているんだ。

 

「坊津ケンムン」の木陰は夏でも涼しい海風が吹き抜け、目の前の透明度の高い入江は、あくまで静かで、楽しむにはもってこいのポイントなんだ。

 

つながってる「坊津ケンムン」、ペアガジュマルじゃなくて、夫婦ガジュマルとか呼んだ方がいいかな??